2023.08.28
平和のための戦争展
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平和のための戦争展へ。
今回どうしても観てみたかったのは、実写版「はだしのゲン」
(以下、映画のネタバレあり)
この映画では、原爆が広島に投下される前の戦時下の生活も丁寧に描かれています。
ゲンのお父さんが非国民と言われながらも、戦争に反対し拷問をうけ、子ども達も非国民だと嫌がらせをされる。そして、両親に反対されながらも非国民だと言われないよう海軍予科練を志願する兄。学童疎開、隣組の竹やり訓練、朝鮮人差別、傷痍軍人の困窮した生活などがエピソードとして散りばめられており、戦時下の日本の実相が伝えられています。
映画の前にNHKで放送されていた
『はだしのゲン』と父 翻訳者・坂東弘美
はだしのゲンの中国語翻訳を手がけた坂東弘美さん。日中戦争に出征した自分の父親が中国大陸で行ってきたことを知って衝撃を受ける。
「殺さなかったら自分が殺された」
犠牲になった人の命の先に、自分という命が生まれたことへの葛藤を抱えながら歩んできた道。
そして、父の体験を知り「はだしのゲン」のメッセージを中国の人たちに伝えようと活動を続けている。
どちらの作品からも戦争をするという事が、当たり前の日常と命を奪う愚かな行為であるというメッセージと、戦争がその時代の支配権力により起こされ正当化されていく怖さ、同調圧力の下で変化していく人々の思考や行動。人間の持つ弱さと強さを感じました。
ゲンのお母さんが原爆が投下され町の壊滅的な状況を眺めながら、ゲンに言った「しっかりと見ておくんだよ…戦争の本当の姿を」という言葉。
同じ過ちを2度と繰り返さないために、新しい戦前になりつつある今の日本を止められるのは私たち一人ひとりなのだと改めて思います。
この実写版は1976年の作品なので、出ている俳優さん達の顔ぶれがとても懐かしい。
祖母とテレビを見ていた幼い頃に、癖が強いなぁと感じていた(その頃の感覚では、なんか怖い?)俳優さん達も。
久しぶりに見て、感慨深いものがありました。
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