2025新春対談 希望ある東京への転換を

新年を迎え、昨年の都議補選、総選挙を候補者としてたたかった、せいの恵子前区議、田原聖子12区国民運動部長と、そねはじめ都議が新年の抱負を語りあいました。

そね 新年おめでとうございます。昨年は、都議補選、総選挙と選挙が続きました。お二人は候補者として活動していかかでしたか。

せいの 区議会議員を辞職して都政に挑戦しましたが、激動の1年でした。

区議として2期5年の経験からあらためて都政をみると、都民の暮らしには無関心、都庁へのプロジェクションマッピングに48億円も投入する無駄づかいなど、予算の使い道が本当に都民の暮らしや中小業者の営業を守るものになっていないと実感しました。

田原 総選挙では、国民が自公過半数割れという審判を下しました。私も東京12区の候補者として政治とカネの問題を訴えましたが、「しんぶん赤旗」のスクープや日本共産党の追及が、政治の新たな局面を開いたと実感します。

介護をはじめ行政や教育などの現場で働く人たちの声を伝え、市民のみなさんと共闘する中で、政治を変えようの訴えに、多くの有権者からの共感と支持の広がりを感じました。特に学生や同年代の女性から熱い応援を受けました。

そね 総選挙では、有権者が今の政治にNOを突き付けた。その声をしっかり受け止め、今度は夏の都議会議員選挙で都政を変える番ですね。

声を上げられない人の声を政治に届ける役割を

そね せいのさんは区議になる前、看護師や保健師として働いてきたけれど、区議会での質問などは、その経験がもとになっているのでしょうか。

せいの 医療、介護、保育の最前線に立ち、声を上げられない人の声や、目が向けられることがないけれど、とても大切な課題がたくさんあると感じてきました。私が議会でいち早く取り上げたヤングケアラー支援や生理用品の無料配備などは、その一例です。

「生理の貧困」の問題は、私が北区議会で取り上げた同じ時期に、そねさんも都議会で代表質問し、まず都立高校のトイレに生理用品が無料で設置されました。東京都の動きを見て私もねばり強く質疑を重ね、北区の公立小中学校でも実現できたことはうれしかったですね。日本共産党の都議団と区議団の連携は、政治を動かす大きな力だと感じています。

田原 私も介護現場や労働組合運動を通じて、ケア労働者や非正規公務員の劣悪な実態を目の当たりにしてきました。東日本大震災の直後には、労働組合の代表として衆院厚生労働委員会で意見陳述し、東北3県の介護保険料・利用料を1年半、免除させることができました。

いま、国民が自民党政治に代わる新しい政治を求めています。企業団体献金の全面禁止、選択的夫婦別姓の実現、紙の保険証の存続など、国民の切実な願いに応える政治に変えていくため、みなさんと一緒に頑張ります。

都民のくらしに無関心
小池都政は〝自民党政治〟そのもの

そね 話を東京都政に移しましょう。私の目から見ても、都政の病いは深刻です。かつて「自民党都政を改革する」といって知事になった小池氏ですが、今や自民、公明、都民ファーストに支えられた〝自民党政治〟そのものに変節しています。

田原 暮らしが追い込まれ、報酬を引き下げられた介護事業所の廃業が増えているのに、小池知事は所信表明でも物価高騰にまったく触れませんでした。

せいの 東京都は大企業の法人税や高額所得者の都民税収入などで、史上最高の税収をあげています。お金はあるのに、小池知事はまた「日本には活気が必要だ」などといって、お台場に26億円もかけて世界最大規模の噴水を作る計画を進めようとしています。

そね 都にやる気さえあれば、水道料金を引き下げたり、都バス・都営地下鉄の子ども料金値下げ、シルバーパス無料化もできるはずです。

田原 日本共産党都議団は昨年の第4回定例会で、中小企業への奨励金引き上げや、若者・高齢者・シングル女性への家賃補助、国保料・子ども医療費の負担軽減など、都民の切実な願いの実現を提案しました。都議会野党第一党としての存在感を示しましたね。

もうけ優先の大型開発ではなく
住民本位のまちづくりこそ

そね もうひとつの問題は、大型開発推進、大企業の利益を最優先する「経済界ファースト」の姿勢です。小池知事は、樹木伐採が大問題になっている神宮外苑再開発を強行するばかりか、その地権者である三井不動産からのパーティー券購入を否定しませんでした。

また、防災を口実にした大型道路建設を、「土地収用」の強権発動までちらつかせて推し進めようとしています。まさに、旧来の自民党政治への先祖返りそのものです。

せいの 北区では住民訴訟も含め、乱暴なまち壊しや大型道路建設を許さないたたかいが長年にわたって積み重ねられ、特定整備路線の建設を食い止めてきました。「稼ぐ区役所」を掲げる山田区政の下で、タワマン誘致の再開発に反対する赤羽まちづくりの運動も広がっています。

これからは、大企業のもうけ優先ではなく、誰もが憩える公園や緑を増やし、再エネ・省エネに思い切った財政支援を実現するなど、地球環境にも優しい住民本位のまちづくりへの転換こそ求められます。

そね 高齢者や低所得者向け都営住宅の増設、地域住民に買い物や医療・介護施設への通院・通所を保障するコミュニティバスなど地域公共交通の充実も、待ったなしの課題です。

田原 それにはケア労働者をはじめ、働く都民の思い切った賃上げと処遇改善が欠かせません。昨年の総選挙に続き、今年の参院選でも自公政権を少数に追い込み、国政を大きく変えるたたかいが必要ですね。

そね 私も来年の都議選、参院選で、日本共産党の躍進をめざし、その先頭に立って頑張る決意です。2025年を、新しい希望をひらく年にしましょう。本日は、ありがとうございました。